- 「Animate Collection
天空戦記シュラト・オリジナルコミック 架空庭園論」 - 発行元:ムービック(1993年)
- 著:二越としみ
- 判型:A5判
あとがきから察するに、元は同人誌として発表された作品をまとめたもののようですね。
著者のニ越さんは現在は商業誌で活躍なさっています。
私は「シュラト」の二次創作でその作品をいくつか読んだだけなのですが、
繊細なお話を描かれる方だなぁ、という印象があります。
少し太めの輪郭線や人物の丸っこい顔など、絵柄には可愛らしさも大いにあるのですが、
どこか落ち着いた雰囲気もしますよね。不思議。
「久々に天空殿に集まった八部衆は、
八霊師から『調和のソーマを放棄した者(=アスラの芽)』の討伐を命じられる。
先のアスラ神軍との戦いも、結局は同じ種族同士で殺し合いをしていたという事実に
衝撃を受けつつも、その任務に従おうとするヒュウガたち。
しかし、それに反発するシュラトは、
シヴァとの戦いでガイ自らが切り捨てた
『もう1人のガイ(=人としての感情(こころ))』を探す旅に出る。
放浪の果てにガイと再会したシュラトだが、
その頃ラクシュは破壊神の復活を察知して……」、
というのが大まかなあらすじです。
んー……、初めて読んだ時は、ちょっと重苦しい気持ちになってしまいました。
「アスラ神族とは、調和神を信ずることをやめたおろか者の末路だ」
という設定(台詞)と、それに対するシュラトの
「ーー変だよ、おかしーよ……」、
「自分たちの平和守るために間引きするみてーのって……」
という台詞が深く胸に残っています。
こういう、異端者を排除していくやり方や思想の統制のようなことが
ほんとうに秘密裏に行われていたのだとしたら、恐ろしいし、哀しいですよね……。
そんなことはないと信じたいけれど……。
この物語は、オチらしいオチがないまま終わっています。
だからこそよけいに、やり場のない淋しさが心にたまってしまうのかも知れません。
「僕達はただ一緒にいたかっただけなのに」。
私も、戦いを終えたシュラトとガイが一緒に笑ってる姿を見たかったなぁ……。
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