小説版第二部予想【6】:蘇生

 2004/05/10 

シュラト 小説版第二部予想

アニメ版放映当時、小学生だった私は、「蘇生」という言葉を知りませんでした。
アニメ雑誌(確かアニメディア)の
「死んだ八部衆がヴィシュヌ様によって蘇生する」
という記事で初めてその言葉を目にしたのですが、
読み方すらわからず母に聞いた記憶があります。
そして、「そせい=生き返ること」と知って、何だかもやもやとした気分になりました。
また、記事どおりに死んだ仲間が蘇生した時、素直に喜ぶことはできず、
逆に、ごく軽度ながらも「失望」とも呼べる気分に陥ってしまいました。
「一度命を落とした人間が甦る」という展開は、
私は基本的にあまり好きではありません。
だって、命は一度きりのものでしょう。
「たかが作り話」と笑われてしまいそうですが、このことには、
アニメ版のストーリー全体で、
「シュラトとガイが一体化して創造神」というラストの次くらいに
わだかまりを感じてしまうのです。
もちろん、そうでなかったら、ダンもクウヤもリョウマもヒュウガも
光になって消えてしまったままだということは、十分承知しています。
でも、未だに違和感を消すことができずにいるのは、私だけでしょうか。
これについては、ヴィシュヌ様自身が
「再び蘇生させる力は残っていない」と告げるシーンが挿入された(第27話)ことで、
一応は納得のできるものとなりました。
偉大なヴィシュヌ様にとっても「蘇生」はたやすいものではないことが伺えるし、
もしかしたら、本来は「転生」させるべき者たちを「蘇生」させたことで
自分を責めていたかも知れないし……。
それでもそうせざるを得ない非常事態だったので、仕方ないこともわかります。
ですが、もしもスタッフが最初から
「途中で死んだキャラも生き返らせればいいや」
と思って物語を作っていたとしたら、とても残念に思います。
それに、どうせなら、マリーチやマユリ&サラスも
生き返らせてほしかったなぁ、と思ってしまいますよ。
あと、「インドラ様を味方として生き返らせたら、アスラ神軍との戦いにも有利なのに」
という意見も当時あちこちで見かけましたよね。
まぁ、そうするとそれまでの盛り上がりが一気に冷めてしまいそうですが。
彼らの死を無駄にしないためにシュラトたちが必死になっていたことは
十分に伝わっていたのに、そのことを台無しにされそうで。

ところで、こんなことを考えている私ですが、
物語における「蘇生」を全く容認できないわけではありません。
ただし、それには「そのキャラの肉体が残っている」という条件が必須です。
どんなに重傷を負っていても、
「=完全に死んではいなかった→『蘇生』ではなく『極限状態からの復活』」
と思えるからです。
(でも、それって結局「蘇生」を容認していないっていうこと? あれ?)
なので、小説版におけるレンゲの復活は、私にはむしろ筋の通った展開です。
もともとアニメ版でも、手天島の戦いでを残したまま水晶結に封じられたのは、
すぐに復活させるための伏線だったそうですし。
また、インドラ様も、ルドラの民によって肉体を斬り刻まれたものの
「シヴァの強大な力によって生命を繋ぎとめた」
(第6巻「天空界用語解説」)のでしたよね。
ちなみに、リョウマの決死の一撃によって死んだと思われていたアカラナータも、
黒こげの首だけとはいえなお生きていることが判明しています(第6巻転章)。
どちらも、普通だったら死んで当たり前だったのでしょうが、
肉体が光となって消えてしまったわけではないので、
抵抗なくその復活を受け入れることができました。
さて、ここで問題となるのは、
「光となって消えてしまった」とはっきり描写されている
ダン・クウヤ・リョウマの3人。
アニメ版では彼らはあまりにもあっさり復活してくれたので、
ちょっと拍子抜けしてしまいました。
小説版ではどうなんだろう。
彼らの復活は簡単になされてしまうのでしょうか。
彼らがまた活躍してくれることを期待する一方で、そんな不安も抱き続けています。
自分勝手と知りつつも、なるべく違和感の少ない「蘇生」だといいなぁと思っています。
わがままでごめんなさい。

漠然とした予想ですが、
彼らの復活にはヴェーダ(=シャクティ)が関わってくるのでは?
シャクティの「ある程度の意志を持つ」(第1巻第2章)という特徴に加えて、
リョウマがそのシャクティを通じてアカラナータの弱点を知った
例のエピソード(第6巻第1章)は、
神将とシャクティの密接な関係を示すという意味で、
そういう展開の伏線にもなり得るのではないかと深読みしています。
現在、クウヤのヴェーダはレイガが、
リョウマのものはヒュウガが所持しているはずです。
形見として大切にしていたヴェーダが
禁忌とされている蘇生の術に必要不可欠だったり、なーんてね。
でも、例えそうだとしても、
ダンのヴェーダは玄武殿に放置してきてしまったんですよね。
異動宮が天空樹の真下から出現したということは、
その麓にある手天島ごと崩壊してしまっているのだろうし……。
もしかしたら、ダンのもレイガあたりが回収してくれているかも知れませんが、
そんな都合のいいことにはならないかなぁ。
うーん、やっぱり蘇生とヴェーダは無関係?
……と、ここまで書いてからようやく、
第25話のラストの蘇生のシーンを思い出しました。
あの時、ヴィシュヌ様が発したソーマは
それぞれのヴェーダに吸い込まれていったのですよね。
わー、すっかり忘れていましたよ!
小説版でもあんな感じになるのかなぁ。
でも、全く同じだったら、わざわざ先延ばしにしたりしないですよね……。
ああー、どう描かれるんだろう?

追記:「WCR13御礼(2013/05/31)」より

これは、WCR1の「予想【5】:迷い水」と同様、
未完のままで時が止まっている小説版の今後の展開を、
好き放題に予想して思い付くままに書き出したものです。
この「予想」シリーズは、
サイトに初めて載せた時から思いのほか反響が大きかったのですが、
この「蘇生」に関しても何かしら共感したりお楽しみ頂けたのなら、
とてもうれしいです。ありがとうございます!
……しかし、今、とーっても久しぶりに落ち着いて読み返してみたら、
これ、「予想」になっていないですね。
どうなるんだろう、ってことばかり書いていて、あれれれれー……。
うーん、まぁ、いいか!

私は特に、アカラナータのその後がとても気になっています。
レンゲのように、アニメ版と小説版で
描かれ方が大きく異なっているキャラクターですし、
黒のソーマについて掘り下げる上では、彼の存在は無視できないはずなので、
今後の動向に注目しているのですが、……。
あかほりさん、とりあえず、黒焦げの首だけなんてあまりにも可哀想なので
早く何とかしてあげて下さい、ほんとうに。

と、今回はこんな感じで〆。
拍手を送って下さって、ありがとうございました!
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