- 「天空戦記シュラト MEMORIAL BOOK Love Song」
- 発行元:バンダイ(1990年)
- 表紙イラスト:奥田万つ里
- 判型:変形判(天地約25cm×約23cm)
ほぼ正方形なこの判型と、「天空界メモリアルズ」の内容について詳しいのが特徴。
(「Memorials Memory」)
各巻に収録されている新作アイキャッチやジャケットイラストも、
これで確認できるのがうれしいです。
それはさておき、この表紙!
背景のシュラトとシヴァ様の横顔はともかく、
イエス・キリストを連想させるかのような、裸で木に磔(はりつけ)になったガイには
内心かなり慌ててしまいました。
顔なじみの本屋のおじちゃんは、いつもどおりにこやかに会計を済ませてくれましたが、
ちょっと勇気が必要でしたよ、買う時に。
いや、今になって見るとそうでもないのですが、
奥田さんの絵柄って、ただでさえ色気があるからなぁ……。
巻頭の「BEST of TWO SHOT!」がお気に入りです。
7つの名場面を「7組のコンビorカップル」という観点から紹介しているのですが、
そこに添えてある文章を読んで強くうなずいたりしていました。
描き下ろしのイラストもきれいですよねぇ。
(セル原画の「TOSHIHIRO KAWAMOTO」さんとは、川元利浩さんのことでしょうか?)
「インドラ&ヒュウガ」編が特にうれしかったです。
第24話は作画があんなでショックを受けていましたが、
これで記憶を上書きさせてもらいました。感謝。
もうひとつ、「天空界大語解」もおもしろくておすすめ。
よくある用語集なのですが、元ネタ(インド神話や仏教用語等)や
初期設定にも触れられているので、ひととおり読むと物知りになった気分。
時々紛れ込んでいるツッコミも楽しいです。
そして、関島眞頼さんによる小説「一万一千年目の旅立ち」が収録されています。
んー……、これについては、あらすじを紹介するのはやめておこうかな。
「シュラトは本当に神様になっちゃったんだなぁ」
という、少し淋しいような余韻が残る物語です。
小説版「創世への暗闘」でも感じた「関島さんご自身の『信仰心』」が、
ここでも垣間見えますね。
あとは、シュラト&ガイの「人間」として一生のモデルケースを示してもらえたようで、
何というか、救われた気がしました。
「戦いを終えた後の彼らを人間界に帰してあげてほしかった」
とは特に思いませんが、本編のあのラストにはもやもやした感情を抱いていたし、
「もしも、彼らが天空界に転生しなかったら……」
というパラレルな妄想を補完してもらえた気がします。
「天空界手帖」は、お絵描き用の資料としては
「設定資料集」に比べると量的にいまいちですが、
ひとつひとつが大きめに載っているのはポイントが高いかも。
シャクティ姿も、あちらとは別の方が描いたと思われる全身図が付いています。
細部や全体のバランスがけっこう違っているんだよね。
本編でも、シャクティって毎回少しずつ違っているように思えたのは、
もしかして、制作現場でもこの2パターンが出回っていたから?
その他、各話ダイジェストやスタッフ&声優さんへのインタビュー等、
盛り沢山な内容です。
楽しいムックなのだけれど、最初から最後までのほとんど全てで
「八部衆」が「八分衆」と記載されているのがとても残念。
いくらおもちゃが売れなかったからって、ひどいわよぅ、バンダイさん……。
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